公務員の定年延長はいつから?段階的に給料や退職金などに影響か?

公務員の再就職

公務員の定年が延長されるという議論が、本格的に実施に向けた協議に入ったようだ。ひいては、民間企業に勤めるサラリーマンも割を食う話になるだろう。

さて、そうなると、公務員の給料や退職金、ボーナスなどは、今後どうなっていくのだろうか?

公務員の定年延長の影響

公務員の定年は、現行では60歳と定められている。国家公務員の特別な職種を除き、地方公務員も60歳だ。

それに準ずるように、民間企業も企業規則を設け60歳としている。基本的に、民間企業は公務員の規則を準用するのが通例になっている。

昨年より、政府は原則60歳と定める国家、地方公務員の定年を「65歳」にすることを議論してきた。その議論が形になりそうだ。教員、消防、警察、自衛隊も含めての話だ。

政府は、原則60歳と定める国家、地方公務員の定年を3年ごとに1歳ずつ延長し、2033年度に65歳とする方向で検討に入った。

2019年の通常国会に国家公務員法改正案など関連法案を提出し、2021年度からの着手を目指す。

2021年度から段階的に始まるということは、それまでに退職する人は逃げ切れることになる。

逆算すれば、2021年度に48歳だった人は、残り12年で60歳の定年退職だったのが、5年延長されることになる。

つまり、2021年度に48歳以下だった人は、強制的に65歳が定年退職となる。

背景と目的

65歳への引き上げを軸とするのは、公務員の年金制度にあわせるためだ。

支給開始の年齢は13年度から25年度にかけて65歳に段階的に引き上げる予定だ。

定年が60歳のままだと定年後に年金を受けとることができない人が多く出る恐れがある。

公務員の年金受給年齢の引き上げと定年を合わせ、公務員が退職後「無収入期間」が生じるのを避ける。

外郭団体を含め、数百万人の公務員の給与体系や年齢構成などに影響が及ぶ大改革となる。

少子高齢化が加速する中、高齢者の就業を促進し、労働力を確保するのが狙いだ。

60歳定年が多い民間企業に見直しを迫る意味合いもある。

公務員は60歳の定年退職後、65歳の年金受給まで粘る必要があるのだ。

グラフは当たり前の結果を示している。ただ、正確には、「働きたい人が増えているのではなく、働かなければならないと考える人が増えている」のだ。

ここからもわかるように民間企業に勤めるサラリーマンも安心していてはいけない。公務員だけだと対岸の火事のように見ているようでは、確実に飛び火がくる。

要は、「少子高齢化で働き手が少なくなるから、経済活動維持のために労働者の定年を5年延長しますよ。まずは公務員から始めるから民間企業も追随するように」ということだ。

障がい者雇用や女性雇用のように、定年を延長しない企業に罰則なんて話にもなるかもしれない。

影響範囲

今回の定年延長問題で発生する影響範囲について考察したい。

給料

まず、一番重要なのは給料だろう。

人事院は2018年8月10日、国家公務員の65歳への定年延長について、60歳を超す職員の給与は現役時代の7割の水準が妥当だとする意見を政府と国会に提出した。

人事院によると、約7割とした給与水準は、民間企業の水準にあわせた。

政府は導入時期などを検討し、来年の通常国会にも国家公務員法改正案を提出する。

政府の方針からもわかる通り、給料は、現役時代の7割となる。

現時点で再任用されている職員は、給与が半額されることもある。そこと比較すれば、給与水準は維持されていると見ていい。

しかし、それだけではない。

政府の方針では、中高年層を中心に60歳までの給与の上昇カーブを抑える考えだ。

人事が滞らないよう、一定の年齢に達すると管理職から外す「役職定年制」も導入する。

例外として、専門性が高く後任を見つけにくい職種などに限り、1年ごとに最大3年まで留任を認める「特例任用」の制度もつくる。その間は3割の減給の対象から外す。

60歳以上の職員の給料が7割減額しても、公務員は年功序列で上がっていくからトントンじゃないの?と思われている方は要注意だ。

近年の公務員改革や世論により、公務員といえど、55歳を過ぎれば昇給はしない。

場合によっては、50歳から昇給しない自治体もある。つまり、50歳をピークに給料が下がりはじめる。

その下がった給与に対し7割減額なのだ。

具体的な給料の削減額までは提示されていないが、60歳定年職員よりも、生涯賃金は下がる可能性は大いにあると見ている。

ボーナス(勤勉手当、期末手当)

当然、ボーナスも減給になる。ボーナスは基本給の掛け算であることから明白だ。

給料が7割減額は、基本給の減額だから、当然だ。

退職金

これもボーナスと同様に基本給の掛け算であることから、減給だ。

ほんの5年前ほど前から400万円以上下がった退職金であるが、政府は今現在、民間との較差100万円を減額した。

退職金は、「退職時の月給」×「月数」なので、給料カーブが下がった時点で間違いなく減額だ。

また、退職金を勤続年数に変更しようという動きもでてきている。

公務員は通常、勤続年数によって退職金の貰える月数が変化するのだが、これには上限がある。

大卒枠の最速である22歳で採用されたとして、定年退職(仮に現行の60歳とする)まで38年間勤務したとしよう。

あくまで自治体にもよるが、32年間勤務すれば、最高月数の49か月分が貰える計算になる。つまり、公務員の退職金でもらえる最高月数は、28歳から勤務しても同じ月数が貰えることになる。

もちろん、その分、基本給が少なくなるのため、一概には比較できない。

それを、シンプルに勤続年数に変更しようというのだ。つまり、先の例でいけば、38か月分が退職金の最高月数となる。

これが適用されれば、大幅な退職金の減額となる。

生涯賃金

政府が、中高年層を中心に60歳までの給与の上昇カーブを抑えるといっている以上、生涯賃金も下がる。

定年後、嘱託組、再雇用組、定年延長組と雇用状態も異なり、年金の支給額も異なることから厳密には言えないが、逃げ切った年代と比べれば明らかだろう。

5年働ける分、生涯賃金も上がると短絡的に考えてはいないだろうか。そのしわ寄せが35歳あたりから給料減額だと考えれば、その幻想が偽りだということがわかるだろう。

公務員の生涯賃金が4000万円増えるという記事も見かける。800万円×5年間という計算式だが、その4000万円を中高年からの給料削減で穴埋めすると言っているのだ。

現役の公務員なら、まず、その基礎算定がおかしいことに気が付いてほしい。そもそも800万円も給与はもらえない。

雇用状況(業務量や新規採用職員数)

公務員も民間企業も職員の雇用状態はいびつだ。経済が不況だった時代は超就職難であり、今の中年世代が大きくへこんでいる。

さて、公務員の採用数はどう決まるのか。もちろん、行財政改革によって絞るということもあると思うが、基本的には、退職者の数に合わせるのだ。

つまり、定年が延長されるということは、想定してた人が辞めないということだ。今の公務員批判のご時世だ。削減、削減といわれ続け公務員一人当たりの業務量はパンク寸前だが、増やすことよりも減らすことが最優先される。そう簡単に職員の数は増やすことはできない。

公務員の総定員が定められている中、65歳までの延長を短期間で行うと、新規採用数を極端に絞らざるを得ない年度が出る。

組織の年齢構成が大きくゆがむ恐れがあり、3年に1歳ずつ延ばすのが現実的と判断した。

これが段階的に定年を延長する理由だが、先に述べたように、どうしても採用は絞らざるを得ない。職員の絶対数は減少させる必要があるからだ。また、全国の自治体や警察などで一斉に行われるわけだから、その影響たるや凄まじいことだろう。

確実に新規採用職員の数は減ることになる。もちろん、業務量は増えるだろう。

この状況を考えると、転職、再就職といった選択肢を広くもべきだ。以前、記事にも書いたが、この時点で65歳だ。年金制度なんて破綻が目に見えてわかるだろう。あと40年もすれば年金受給は70歳になっているかもしれない。そして、定年を70歳にする議論が行われているかもしれない。

2016年の日本人の平均寿命は女性87.14歳、男性80.98歳で、いずれも過去最高を更新

しかし、平成22年版のデータをみてみると、男性の健康寿命は約70歳となっている。

健康寿命とは、介護なく動ける年齢を指すのだが、仮に65歳定年退職、70歳再任用退職とすれば、退職してフリーとなった瞬間に日本人男性の約半分が介助なしでは生活ができないということになる。

もちろん、科学や医療の発展により、少しばかり伸びるかもしれない。

ただ、はっきりしていることは、仕事で人生が終わってしまうということだ。

バブル期の公務員になるやつなんて負け組時代から、バブル崩壊後の公務員になったら勝ち組という時代も終わった。

今や、会社に勤めるという時点で、死ぬまで働くということを意味する。

それがいやなら今すぐ行動を起こす必要がある。

今の40歳、50歳世代は、申し訳ないが、公務員で人生を終えることが正解かもしれない。

しかし、あなたが仮に30歳だとすれば、35年後には間違いなく違う時代だ。

35年前に携帯電話はなかったはずだ。

会社に頼ることなく、今のうちに副業を進めるだけでも早期退職が可能になるし、独立という手段も選択できる。

始めよう。副業を。

公務員は副業禁止?

そんな同調圧力は無視だ。同僚と同じ目線に立っていてはダメだ。

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